アゲハ不動産@アゲハライフ

不動産並びにインテリアに関する情報を提供します。宅建士の勉強

about プライバシーポリシー

「負動産」を掴まないためのリスク回避の3要件とは?

進む負動産化

ただでも買い手がつかないような土地を運悪く抱えてしまうと、売ることも捨てることもできず、管理コストや固定資産税の負担だけが残る「負動産化」が進む。

 

人口減少が進む中、不動産価値の格差が広がっている。資産価値を保てないこの「負動産」が増えているのだ。

将来売れない物件をつかめば、子世代にも負担をかける。

購入や相続時に「負動産」リスクを回避する方法を探った。

f:id:createday:20181109081719j:image

駅距離や都市計画が資産価値を左右する

「今建てている家は今後も資産価値が保てるだろうか」

神奈川県鎌倉市で注文住宅を建築中の40代会社員は気をもむ。街の雰囲気を気に入り横浜市からの移住を決めたが、交通の利便性は劣る。家の資産価値が保てなければ老後の生活にも影響が出かねない。

アベノミクス以降、活況が目立つ不動産市況。ただ実際のところ、上昇しているのは東京都心の高級マンションなど限られた物件だ。

人口減少が続くなか、2033年には住宅に占める空き家の比率が3割に迫るとの予測もある。不動産コンサルティング会社、さくら事務所(東京・渋谷)の長嶋修会長は「価値の上昇や維持が見込める住宅は10~15%にとどまる」と指摘する。

そのほかの住宅は今後、資産価値が下がり、市場売買できない無価値の物件になる恐れもある。保有すれば、固定資産税など費用ばかりかさむ「負動産」となるのだ。これから自宅の購入や住宅に投資をする際、負動産を避けるにはどうすればよいのか。

注意すべきポイントは3つある。

駅までのアクセス

第1に着目すべきは主要駅までのアクセスだ。関西ならJR大阪駅や京都駅、九州ならJR博多駅など域内のターミナル駅へのアクセスのしやすさが、将来的な資産価値を左右する。

首都圏の場合、資産価値に直結するのはJR東京駅との距離だ。山手線や東海道新幹線など多くの路線が乗り入れる巨大ターミナル駅で、丸の内などのオフィス街にも近い。東京駅にアクセスしやすい地域の住宅なら利便性も高く、将来も一定の需要が見込める。

不動産コンサルタントの岡本郁雄氏は「みなとみらい地区がある横浜市のような例外を除けば、住宅の資産価値が期待できるのは東京駅まで電車で30分圏内のエリア」と指摘する。実際、東京圏の住宅地の基準地価をみると、文京区や台東区といった東京駅に近い23区北部・東部で前年比の上昇率が5%を超える地区が目立つ。

一方、東京駅まで1時間以上離れたエリアは厳しく、神奈川県横須賀市は2%を超える下落を記録。

人気の高いJR中央線沿線でも、東京駅まで30分程度の吉祥寺駅を擁する武蔵野市は3%超上昇したが、1時間前後かかる八王子市は横ばい圏にとどまる。

ちょっと待った!

とは言いつつも、実は駅から遠くても負動産にならない可能性があります。

それは自動運転技術の発達です。

今ある公道が全て線路となり、自宅から目的地まで自動で運んでくれるようになるわけです。

おそらく、2030年ごろには自動運転車が広まりを見せていると思われますので、意外と駅から遠くても負動産にならない可能性があるのです。

家が広く、なおかつ車を停めれて、庭があるごく普通の田舎であっても住みたいという人が出てくる可能性があります。

一概に駅から遠いから売ろうとは思わないほうがいいと思います。

負動産は捨てられるのか?

いらなくなった土地を国に引き取ってもらおうと、国を相手に裁判を起こした男性がいる。

 民法には「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」(第239条)との規定がある。だが、どんな場合に国庫に帰属するかという基準はずっとあいまいだった。「土地は捨てられるか否か」が直接争われた珍しい裁判となった。

 訴えを起こしたのは鳥取県米子市の司法書士・鹿島康裕さん(41)。2014年、島根県安来市の山林約2万3千平方メートルを父親から生前贈与された。その3週間後、鹿島さんは山林の所有権を「放棄する」とし、所有者のいない不動産なので国が引き取るべきだと訴えを起こした。

 

司法書士の男性が、2014年、島根県安来市の山林約2万3千平方メートルを父親から生前贈与された。

その3週間後、男性は山林の所有権を「放棄」した。

そして、所有者のいない不動産なので国が引き取るべきだと訴えを起こした。

 

 鹿島さんは、司法書士としての日常業務のなかで、持て余している土地を国や自治体に寄付したいというお年寄りらの相談をよく受けていた。子や孫が地元から出ていき、このまま土地を持ち続けて大丈夫なのかなど、多くの人が不安を感じていた。しかし、寄付を受けるかどうかは行政側の判断で、利用価値がなければ受けてもらえないケースがほとんどだ。

 

無主の不動産
民法239条【無主物の帰属】

② 所有者のない不動産は、国庫に帰属する。

 

裁判例では、次のような場合国庫へ帰属を認めたものがあります。

 

 所有者不明の土地(肯定例 和歌山地判T6.10.26新聞1340-22、否定例 最判H23.6.3裁判集民事237-9)

 

 相続人不存在の土地(旧幕時代のケース)(大判T10.3.8民録27-422)

 民法施行前に絶家した場合の不動産(仙台高判S32.3.15下民集8-3-478)


不動産の所有者が所有権を放棄できれば、放棄→無主の不動産→国庫帰属となるのですが、民法に規定はありません。

 

学説

①我妻「物権法」(1947)p168、同旨 舟橋「物権法」(1960) p52

 所有権の放棄は、特定の人に対する意思表示を必要としない。占有の放棄その他によって放棄の意思が表示されればよい。

 但し、不動産所有権の放棄は、登記官吏に申請して登記の抹消をしなければ第三者に対抗し得ない。

 

②広中「物権法 第2版増補」(1982)p134

 不動産所有権の放棄は認められるか。…不動産を無主物たらしめるような(絶対的)放棄…を…認める必要はないように思われる。

 

③五十嵐・瀬川「新版注釈民法(2)」(2007)p379

 不動産所有者が所有権を放棄できるか否かについては、我が民法には規定がなく、はっきりしない。

 

本件の判決

松江地裁H28.5.23(訟務月報62-10-1671)

 

1 男性が土地の所有者となった経緯
 ① H26.9.18 父が土地を相続

 ② H26.10.1 父が男性に土地を贈与

 ③ H26.10.17 移転登記

 ④ H26.10.23 国に対して訴えを起こし、所有権放棄の意思表示をしたうえで、国に対し移転登記を求めた(登記引取請求)。

 

2 土地の価値
  土地の地目・地積 山林 2万3414㎡

  評価額 47万9856円

  年税額    7677円

 

3 管理費用
  境界確定 52万0676円

  巡回警備  1万328円/年

  柵設置 100万7328円

  草刈費用  6万5240円/年
    枝打ち   899円/本×相当数

 


4 所有権放棄の経緯・目的
  (動機)

  父親の所有であった土地について、将来的に相続することにより自身がこれを保有し続けなければならない事態を避けたいと考え。

  (目的)

  自ら所有権放棄の意思表示をし、土地の所有権を喪失することを目的として、あえて父親から贈与を受けて所有権を取得した上、訴訟で所有権放棄を行った。

  (意図)

  具体的にではないにしても、本件各土地を所有することにより将来的に背負うことになる負担ないし責任を回避する意図を有していた。

  他方で、民法239条2項により本件各土地を所有することとなる国にかかる負担ないし責任が移転するものと認識していた

 

5 放棄の効果
  財産的価値の乏しい各土地について、その管理に係る多額の経済的負担を余儀なくされることとなるものである。

 

6 結論
  土地の負担ないし責任を被告に押し付けようとするもの

 

  不動産の所有者に認められる権利の本来の目的を逸脱し、社会の倫理観念に反する不当な結果をもたらすものであると評価せざるを得ない

 

権利濫用に当たり許されない。

つまり?

負動産は捨てられないってことですね。

権利濫用になってしまうらしいです。強制的に国に買い取らせるのは権利を乱用していると判断されてしまったので、土地の放棄は現状ではほぼ不可能でしょう。

相続の際に相続しないと意思表示をしておきましょう。

ドイツだと不動産を捨てられる

ドイツでは、土地は捨てることができると法律に明記されているという。土地を捨てられる制度はどう運用されているのか。現地を訪ねた。

独東部ドレスデン中心部の工業地帯。鉄道沿いの国道を少し入ったところに、コンクリート5階建ての廃虚があった。窓ガラスがところどころ割れ、建物の背後には広大な敷地が広がっていた。敷地面積は約1万5千平方メートル。旧東ドイツ時代には薬品工場として使われていたが、その後、捨てられたという。

 ドイツの民法には「所有者が放棄の意思を土地登記所に表示し、土地登記簿に登記されることによって、放棄することができる」(928条1項)と明記されている。放棄された土地をまず先占する権利は「州に帰属する」(同2項)とも定められている。

 この物件の所有者は2007年、法律に基づいて登記所で放棄の手続きをした。その後はザクセン州財務省系の公的団体「州中央土地管理ザクセン」が管理。物件の調査を担当したクラウディア・トロチェさんによると、立地が良かったためドレスデン市に再開発を持ちかけ、土地を市に無償で譲渡したという。

 放棄された物件はこの団体が一括で管理している。需要がありそうな物件の情報をホームページで公開し、希望者がいれば売却する。

 放棄された土地は、どこかに所有させなければならない義務もないため、ほとんどは「無主地」として管理されるが、そのコストは行政が負担せざるを得ない。ドイツ国内でも地域によっては、無主地の増加による行政の負担増が問題になっているという。

負動産は捨てられないため相続しない

このように日本の法制度では負動産を捨てることは不可能ですので、相続しないようにしましょう。

一度相続してしまうと最後。一生買い手が現れず、まさに負動産と化してしまいます。

負動産を掴まないためには相続時にキッパリと相続しないと意思表示をしなければなりません。